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46年前最終形体が出来た　ホンダ　N360　中古車

N360は、自動車メーカーであるホンダがかつて生産、販売していた軽自動車である。愛称は「Nコロ]。原稿であるN　BOXのご先祖様とも言える存在である。前輪駆動方式を採用して、広い車室空間を確保すると共に、1967年時点の軽乗用車としては、突出した高出力のエンジンを搭載することで、当時の軽自動車業界における「馬力競争」の火付け役とされた。高性能と低廉な価格が相まって、ベストセラーモデルとなり、この時既に、軽自動車の最終形態を見出していたのかもしれない。1966年の第13回東京モーターショーで発表され、1967年3月から、販売が開始された。同社は以前からスポーツカーの「Sシリーズ」や商用車は開発していたが、販売台数が限られており、このモデルが初めての本格的な量産型乗用車と言える。「N360」の「N」は、一説に「乗り物（Norimono）」の略とされ、当時の社長であった本田宗一郎が、ミニマム・トランスポーテーションとしての普及を目的としたことにより由来されている。2ドアの2ボックス形状は、小径タイヤを四隅に配置して車室空間を稼ぎ出そうとした設計で、現代の基本形態となる。当時の軽乗用車としては、極めて広い車室を備えており、その設計思想および駆動形式は、イギリスのミニの影響を受けていると言われている。トランクリッドを備えているのも共通であるが、このモデルでは、リヤバルクヘッドやトレイを省略したトランクスルー構造となっており、居住性だけでなく、積載などの実用性も兼ね備えていた。開発当時、当初のリヤデザインが気に入らず、すでに生産用の金型を取り終わったクレイモデルにカンナで削りを入れて「これで行け」と社長である宗一郎が指示したため、金型の作り直しで多額の出費が生じたと言う逸話が残っている。ダッシュボードをはじめ内外装はとても簡素なもので、初期形のスピードメーター周りは自動車というよりテスターのインジケーターを思わせる単純なデザインだった。中古車は非常に珍しい車種であるため、46年が経った今でも50万円程度の高値で取引されるなど、当時の人気を伺える。