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ゴルフのライバルとして登場　ランチア　デルタ　中古車

デルタは、イタリアの自動車会社、ランチアが製造するハッチバック型の乗用車。ランチアは、フィアットに吸収される前の1972年までフルヴィアを、フィアット吸収後の1972年から1980年にはベータという車種を製造しており、1979年発表のデルタもその流れを汲んだものである。同じ工程で生産されたことから、生産コストを大幅に下げることに成功している。先代のベータがセダン、クーペ、ステーションワゴンからオープンカー、ミッドシップまで豊富なボディバリエーションモデルを持っていたのに対して、デルタは5ドアハッチバックのみであった。それは、当時の欧州では1975年に発表された、フォルクスワーゲンのゴルフが非常に大きな人気を博しており、2ボックス車に勢いがあったためと言われている。デルタはフィアットから先に発表されたリトモは人気を博し、この流れに乗るべく投入されたモデルである。スタイリングは、ゴルフを手がけたジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインが担当することで、大衆車を目指したゴルフに対し、人工皮革のアルカンターラを多用した上品な内装によって「小さな高級車」というコンセプトを目指している。普及モデルのヘッドランプは角形2灯であるが、グループAのホモロゲーションモデルとなったHF4WD以降の高性能モデルは丸形4灯となり、BMWに似た当時の流行に乗った形である。エンジンは全て横置き直列4気筒で、SOHCの1.3L、1.5L、DOHCの1.6L、1.6Lターボのガソリンエンジンと、1.9Lターボのディーゼルエンジンが設定された。しかしながら当時の排気ガス規制により、ディーゼルエンジンの売り行きは思わしくなかった。1980年にヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得し、ライバルのゴルフと同等の人気を博したと言えよう。のちに1993年に発表された2世代目のデルタ（通称デルタII）が後継車種となり、生産・販売を終了した。在往生といえよう。中古車はモノにもよるが50万程度から購入が可能である。