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イギリスの伝統を残す名車　ジャガー　ディムラーV12　中古車

ジャガーというメーカーでありながらディムラーという別のブランドがあることはなかなか判りにくいものだが、もともとはこの二つのブランドは別々の会社であった。ところが60年代にジャガーがディムラーを吸収合併したためにディムラーは同社のブランドの一つとなっている。そのディムラーV12の中でもっとも人気があるのがシリーズ3と呼ばれるXJ6のボディに5.3リッターの12気筒エンジンを搭載した通称ダブルシックスと呼ばれるモデルだろう。前後が絞り込まれたレトロなボディスタイルに、これまた古典的な切り立ったインスツルメントパネル、Jゲートと呼ばれる独特のシフトは、長年培われた英国車のスタイルが満載である。インパネ、ドアトリムなどは同色系のコノリー社製牛革で仕立てられており、室内はサポートのいい同色の本革シートとともに落ち着いた空間を演出してくれる。この革は、経験豊かな職人が厳選した目の揃った革をセレクトして縫製しているそうで、細かなところまで神経を使って製造している。


さらにこのクルマを印象づけてくれるのは、ダッシュパネル一面に張り巡らされているウォルナットの木製パネルだ。こちらも長い経験を積んだ専門の職人が樫の木の根元の部分から薄く切り出してひとつひとつ手作りで仕上げていく。もともと馬車に代わりエンジン付のクルマが登場したころには、自動車を作る技術はかなり馬車づくりに依存していたそうで、木材を使ったクルマづくりがイギリスの自動車メーカーにはいまも息づいている。少し前まではこうしたウッドパネルは合板の上に樫の木でできた薄い木を貼り付けて製作していたが今ではアルミやマグネシウムの基盤に熱処理で圧着した合板を製作して張り込むようになっており、さらに細かなところまで細工ができるようになっている。さてこのディムラーV12は今も根強い人気があり、程度のいい中古車も市場には存在する。国内にはいつくもの専門店もあるので、沢山の在庫情報を持つ店を中心に積極的に問い合わせをおこなってみると、思わぬ上物に遭遇することもできそうである。