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ジャガーのスポーツタイプ　XJ-S　V12　中古車

ジャガーXJ-Sは1975年から96年まで生産されたスポーツカーだ。デザインは60年代に登場したスポーツカーEタイプを手がけたマルコム・セイヤーズによるアイデアを元にしたものだといわれる。このクルマ、リアウインドウまわりに大きな特徴がある。風洞実験の結果特別なフィンがとりつけられデザイン的にも大きなエッジとなっている。搭載エンジンはV12SOHCの5,344CCのものを搭載し最終的には5,993CCにまでボアアップされている。シャシーはXJサルーンのものを流用しホイルベースを切り詰めて製造されている。サスペンションはフロンとダブルウィッシュボーン、リヤウィッシュボーンでジャガーらしい乗り味を継承している。ホイールベースがセダンより短いため運動性能はXJよりも各段によく、小気味よい走りを提供してくれた。ボディサイズの大きさの割には室内は想像以上にタイトでスポーツカーらしい空間を演出してくれるのが特徴だ。エンジンは流石にパワーがあり、オートマチック仕様ではブレーキをしっかり踏んでいないとクリーピングで動きはじめてしまうほどの力を持っている。


XJ-Sは21年間も製造されていた車だけにマーケットでの部品調達は思いのほか容易で想像する以上に中古車のメインテナンスは容易だ。初期の12気筒モデルはいろいろと気難しいところもあったが90年代以降のモデルではエンジンの不調も格段に減り、年式のいったクルマでも十分に12気筒エンジンのパワーとトルクを楽しむことができる。内装はコノリー社の本皮シートやウォルナットを削ってつくった木目の内装が目を引く。このウォルナットはくるみの根の部分を十分に乾燥させ1ミリにも満たない厚さにスライスしひび割れしないように合板の上に張り込むという職人技でつくられている。したがってコックピットの雰囲気はまさにイギリスの高級車の系譜で他国のクルマでは味わえない独特の雰囲気をもっている。独特のクルマではあるが日常的な利用にも決して不便のないとりまわしと気軽さももったクルマであるところがうれしい。いざとなれば225馬力の強力なパワーで街中でもハイウエイでも自在に駆け抜けてくれるところがうれしい一台だ。