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メルセデスに迫る2シータースポーツビークル　キャデラックXLR　中古車

近年キャデラックが打ち出しているアート&サイエンスというコンセプトはCTS,SRXといった新しいタイプのクルマを次々と生み出しているが、XLRはその頂点に立つフラッグシップモデルとしての役割を負ったスポーツカーであることは間違いない。XLRは2座席のラグジュアリーロードスターとして2004年から日本でも発売されている。プラットフォームは6代目のシボレーコルベットのものを流用しているが、エンジンは4.6リッターV8DOHCを搭載し、よりスポーティな走りができるようチューニングを施している。駆動方式はSTSなどと同様にFRとなっている。フロントマスクはキャデラックのモチーフである五角形をつかい、いつもながらそれとすぐに視認できる共通性のあるデザインを与えている。売り物はアルミニウム製の電動メタルトップで、ボタン一つで開閉が可能だ。ウエッジシェイプを持つ低いフォルムにエッジのはっきりとしたボディパネルをくみあわせたデザインは、他車にない斬新なイメージをもたらし、新しいクルマであることを強く印象づけてくれる。


全体として非常に興味深いのは、ハイテク満載で斬新なデザインを施しながらも従来からのキャデラックのドライブフィールをきちんと残しているところで、ブランドアイデンティティを強く意識したクルマづくりが感じられる。とくに大きなステアリングやゆったりとしたシート、実に軽く切ることのできる操舵系などはまさにこのブランドの長年培ってきたバリューを大切に残している極めて大事な資産といえるところだ。みかけはメルセデスのSL狙いのスーパースポーツに見えるが、新たな領域をめざした独自の発想のクルマであることは間違いなく、すでに独特の世界観を作り出している。ところで国内の中古車市場を眺めてみると、このクルマは既に2004年から販売されているため、うれしいことにかなり台数も出回っており、走行距離の短い良質なものもメルセデスに比べると相当お値打ち価格で入手可能であることがわかる。日本でも知らぬ間に結構販売が進んでいたことに改めて驚かされるが、販売価格帯を見るとうれしくなるレベルである。