今回は15年以上人気車として市場を賑わしているステップワゴンの人気の秘密を筆者なりに解説したいと思います。
ステップワゴンは1996年に初代が発売され、現在は4代目となっている人気シリーズです。日本にミニバンというものが定着していない時代だったので、バンという商用を連想する名前ではなくワゴンという名前をつけてステップワゴンというネーミングにしたらしいです。そしてファミリーカーとして不動の地位を築き上げていくことになります。
まず、ステップワゴンが今までの車と違ったのは、ワゴンなのに車高が高くなく、箱型で斬新なデザインということがありました。一言で言うと「ワゴンなのにかっこいい」ということです。そもそもワゴン車は商用で利用されるもので、あまりデザインを考えたものがなかったので、これならプライベートでも乗りたいと思える車だったということです。さらに、車体の軽量化も進め、走りも良い車になっていったが、今までにない試みを多数取り入れていたので、いろいろな指摘も受けることになり、頻繁なマイナーチェンジを行わなくてはならなくなりました。ただ、逆にこれが利用者があきない、常に注目されることにも繋がり、長い人気を維持できているのではないかとも考えられます。
さらにステップワゴンが定番の人気商品になったのは、一時、ホンダのボックスタイプの車のデザインのベースになっていたことも大きいと思います。ステップワゴンを少し短くするとSMX、それを軽自動車にするとムーブという風に、後ろから見た形が全く一緒でした。ようはホンダのスタンダードモデルとして認識されていたので、自然と人気が継続するということになったのだと思います。逆にこれで人気が続かないとなると、ステップワゴンの問題ではなく、このスタンダードモデルの失敗であり、ホンダは大打撃を受けたのではないでしょうか。
その時期というのがもうすでに10年程前の話で、今はモデルチェンジを繰り返し、スタイリッシュな今主流のワゴン車になっています。その間にSMXは廃盤になりましたし、ムーブも形を変えています。しかし、ここですごいなと思うのは定番として一時代を築いた後も、人気車として存続している点です。通常はブームが終わると、自然となくなっていくものですが、それだけホンダのステップワゴンのネームバリューがすごいんだと思います。ホンダの代表車として認識されている車なので、今後もまだまだ人気は続くと思います。